2018.01.23

中小企業レポート1月号に佐久ホテル


・第22回 株式会社佐久ホテル(佐久市)


室町時代中期の正長元年、望月河内守光尚氏が領主として中山道岩村田宿を訪れる客人に対し、宿泊や料理の提供等のおもてなしをしていたことが、株式会社佐久ホテルの起源となりました。創業600年近い歴史を持つ同社は、県内最古の老舗企業です。

足利将軍家や徳川将軍家からの礼状が現在も数多く残されており、江戸時代には小林一茶や葛飾北斎も宿泊しました。明治以降は島崎藤村や北原白秋をはじめとする文人・詩人が逗留した記録が残っており、現在でも館内の部屋には逗留した文人・詩人にちなんだ名前が付けられています。

戦時中は日本軍の兵隊宿舎に指定されながらも営業を続けるなど、時代とともに宿の歴史を積み重ねてきました。
さらに江戸時代から受け継がれるものとして、郷土料理の鯉のうま煮に使われるタレがあります。鯉のうま煮は、同社の歴史を物語るとともに「佐久鯉発祥の宿」として親しまれている同社の名物となっています。

平成27年には70年ぶりとなる内湯「旭湯」の温泉利用許可を取得しました。創業当時に掘削されたこの温泉は、戦国時代に武田信玄も入浴したと伝えられる長野県最古の温泉で、その成分は年に数回配管等の設備を入れ替える必要があるほど濃厚です。

翌平成28年からは、地域住民や佐久を訪れる観光客にも広く親しんでもらうため、日帰り入浴営業も始めました。白や青など日によって色が変化し、メタケイ酸を豊富に含む弱酸性の泉質は「美肌の湯」としても評判です。

15代目の篠澤(ささざわ)豊(とよ)太郎(たろう)氏が残した「流行の事業には手を出すな」という家訓に従い、着実な経営を続けている19代目の篠澤明剛代表取締役は、創業600年に向けて「中山道を訪れる方に濃厚な旭湯温泉の魅力や佐久鯉料理等の郷土料理を積極的に発信していきたい」と話されました。(728文字)

主なあゆみ

1428年(正長元年) 初代望月河内守光尚氏が中山道にて創建
1464年(寛正5年) 勲姓「篠澤」と「ささざわ」の読みを賜り「篠澤邸」と称する
1532年(天文元年) 武田信玄を接待。その際、邸内の湧き水を沸かし
風呂として提供して以来、旭湯と呼ばれる
1818年(文政元年) 小林一茶が宿泊。以来多くの文人・詩人が逗留
1884年(明治17年) 明治天皇専用の宿泊室を設えるとともに、佐久ホテルに改称
1986年(昭和61年) 18代目の篠澤秀夫氏が佐久ホテルを株式会社化し、現在の建物完成
2006年(平成18年) 19代目篠澤明剛氏が代表取締役に就任
2016年(平成28年) 館内に「旭湯温泉」を復活させ、温泉利用許可


■中小企業レポート1月号に佐久ホテル
 
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