佐久ホテルと逵原実  34年の歳月 | 佐久鯉元祖/佐久ホテル/天然温泉

1428年・室町時代創業の信州一の老舗旅館。お食事だけのお客様も大歓迎。全室個室でのんびりゆったり名物の鯉料理に舌鼓

佐久鯉元祖/佐久ホテル/天然温泉

2016.11.19

佐久ホテルと逵原実  34年の歳月

逵原実、佐久ホテル宿泊(後編)


作詞者逵原実の「戦友の遺骨を抱いて」より



【私達は、町の写真屋さんに逢った。子供達が「兵隊さんと写真とりたい」という。それで私達は煙吐く浅間山をバックに四人並んで移してもらった。その時、誰かが「兵隊さん、またいつか、この町へきて」と甘える。私は、「うん、きっと来るよ。でもその時はちいちゃな君たちも大人になっているぞ。なあ君たち、約束しよう。皆に今度逢ったとき、もう一度ここで、同じ順に並んで、同じ格好できっと写真を撮ろう」と言って子供達の頭を撫でた。


 

【その後】



四人の写真をお守りとしてポケットに入れ、大切に戦場を持ち歩いていた。

戦場で随分危ない時もあったが不思議に弾が外れ、

無事復員できた。終戦後、私は生活に追われ、

気にしながらも岩村田の子供達の町を訪ねる暇がなかった。

そして私は、戦友寺嶋のお墓参りの帰り、

三十四年ぶりに宿願叶ってこの町を訪ねることができた。

昔、小学校一年生のお嬢ちゃんも、もうおカッパの子供ではなかった。

それでも昔のことを忘れないで、温かく迎えてくださった。

ああ三十四年の歳月よ。

四人のうち一人の男の子は亡くなっていた。

そのときの写真をお母様に抱いてもらって、あのときの招魂社の丘のところで、

同じ順に並んで“約束の写真”を撮った。

あの頃は浅間の山の裾までひろがっていた田圃も今は住宅が

いっぱい立ちならんでいる。

ただ、山の煙だけがそのまま上がっていて、昔を偲ばせてくれた。】





※この資料を提供下さった三重県のO様に感謝申し上げます。


 

COMMENTコメント

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して軽井沢ナビは一切の責任を負いません