ライティングビューロー(W91×H106×D40)

お土産としても喜ばれる砂糖壺。 手前は桜で奥は葡萄の彫刻。軽井沢彫の代名詞ともなっている桜のほかにも自然の素材をモチーフにしたデザインが増えています。

伝統工芸品軽井沢彫の歴史は古く、明治の中頃までさかのぼります。

イギリス公使館付宣教師アレキサンダー・クロフト・ショー氏が清涼で美しい自然に惹かれこの地に別荘を建てたことから始まった避暑地としての軽井沢。
その後外国人の宣教師や外交官が次々に別荘を建てはじめ、そこで必要になったのが椅子やテーブルなどの洋式家具でした。

当時軽井沢で作られていたのは白木の質素な家具でした。しかし外国人は慣れ親しんだビクトリア時代の豪華な彫刻をほどこした家具を求めたため、日光より日光彫の職人を招いて彫刻付きの洋式家具が作られるようになりました。これが軽井沢彫のはじまりだと言われています。

当初は日光彫の影響を受けて彫刻は松・竹・梅・牡丹・菖蒲・向日葵などが主流でした。その後異国情緒を好む外国人の要望に応え満開の桜をモチーフにした独創的なデザインが定着。軽井沢彫の特徴となりました。

鳳凰をモチーフにした見事な彫刻

 
 

軽井沢彫シバザキの彫師玉井順人(ゆきひと)さん29歳
新人の頃はほぼ毎日3時間の睡眠時間で掘り続けたとか。

堅牢なことで知られる軽井沢彫家具の主な材料は百年以上たった橡(とち)や朴(ほう)、桂。特に橡の木はキメ細かく木目がきれいで、しかも粘り気があるために緻密な彫刻に最も向いています。数年をかけて十分に天然乾燥し、更に風通しのよいところで保管した木材は年数を経ても狂わず高い品質を保ちます。

製造は職人がそれぞれの工程を担当する完全分業制。各分野の職人が一品ずつ丁寧に手作りしています。

一つの家具を作るのに何年もかかる軽井沢彫家具は後世に伝えたい技術として、1983年に長野県知事指定の伝統工芸品に認定されました。

 
 

主な材料は、橡(とち)や朴(ほう)、桂の百年以上経った材を使います。橡は粘り気があり、木目がきれいで高い品質を保ちます。水の吸い上げの少ない冬に乾燥し、製材したものを1年以上野天で自然乾燥させることで木を鍛え、癖を引き出します。工場に入れてからさらに3~4年寝かせます。職人が木と同じ空気を吸って、どんな製品にするのが適当かを見極めます。

加工の第一歩です。確かな職人の目が用途に合った木を選び出し、『採寸』します。

小物は仕上げの輪郭にのっとり、家具は板状に『断裁』します。つづいて『カンナ懸け』、角ノミにより『あり穴、ほぞ取り』をします。

素材を守るために、木肌を生かしながら『色つけ、塗装』を行ないます。

二十数種のノミを用い、堅い橡の木にすべて手彫りで『彫刻』します。彫刻の後は、軽井沢彫特有の『星打ち』を行ない、重厚さと立体感を表現します。

木地の仕上がり確認のため、一度『仮組み立て』をします。確認後、彫刻に移るため解体します。

 
 

旧軽井沢銀座の中ほどにある創業60余年の老舗、軽井沢彫シバザキ。
創業者である柴崎健一さんは当時日光彫の看板で商売していた業者の中で最初に「軽井沢彫」の看板を掲げた人物でもあります。

昭和34年には今上皇后美智子さまご成婚の折り「手箱」を収めたことから、軽井沢彫が広く世間に知られることとなりました。

現在も時代とともに新しい感性を取り入れながら技術を受け継いでいます。

■所在地
〒389-0102
長野県北佐久郡軽井沢町大字軽井沢751-2 (Googleマップで表示
(旧軽井沢メインストリートの中心。郵便局と観光会館の間、右側です)
TEL : 0267-42-2468 / FAX : 0267-42-9468
公式サイト:http://www.sibazaki.com/
軽井沢ナビページ:http://www.slow-style.com/detail/index_333.html

旧軽井沢銀座の中ほどにある軽井沢彫シバザキ。他に4店舗が軽井沢彫の伝統を継承しています。

店先で行われている実演を興味深く見学する人々。実演は9月まで行う予定です。